補給艦
Stores Ship

アイコン 意味
戦闘や事故で失った場合(沈没、墜落)や損傷した場合、艦船などの内部で事故や事件がおこった場合の意味です。自軍や同盟軍、所属機関、所有会社が行った沈没処分や破壊処分、漁礁としてまたは演習で使用して沈めた場合にはこのアイコンは付けません
戦果や功績、各機関に寄贈された場合の意味です。戦争などで沈没し、何十年後に発見された場合もこのアイコンです
映画やTVドラマ、ドキュメンタリーに使用された場合の意味です
参考文献、小説や書籍に登場する事柄です
インターネットやTVゲームに登場する事柄です
不可解な事故&事件およびUFOなど超常現象に遭遇した事柄です
※ロング・トン(long ton)は、帝国単位(ヤード・ポンド法)の質量の単位。2,240ポンド(lb)と定義され、正確に1,016.0469088キログラム(kg)に等しい。インペリアル・トン(imperial ton、帝国トン)とも言い、日本語では英トンとも呼ばれる。アメリカで使用されているショート・トン(short ton、2,000 lb、907.18474㎏)に対して約12%大きく、メートル・トン(metric ton、1,000kg)に対して1.6%大きい
満載排水量:31,565t(31,066ロング・トン) 全長:203.5m 幅:30.4m 吃水:9.7m 主機/軸数:Crossley-Pielstick V16中速ディーゼル機関2基/2軸 出力:25,083馬力(18,704kW) 速力:20kt 兵装:ファランクスCIWS2基(任務に応じて搭載)、GAM-BO1 20mm機関砲2基(任務に応じて搭載)、ミニガン3基(2023年時点でブラウニングM2 12.7mm重機関銃に換装済み)、汎用機関銃7挺、シー・ウルフ艦対空ミサイル用VLS(当初計画されていたが未搭載) 航空運用設備:マーリン・ヘリコプター3機収容可能な格納庫、ヘリコプター発着スポット2箇所を備えたフライト・デッキ 乗員:英海軍補助艦隊(RFA)要員:95名、英海軍(RN)要員:15名、英海軍補給・輸送部隊(RNSTS)要員:24名、英海軍航空隊要員:154名
※電子戦・デコイ:Sea Gnatデコイ発射システム 積載容量:液体物12,500立方m、弾薬3,377立方m、乾貨物2,941立方m
※補給艦兼タンカー

↑Image courtesy of Shipbucket.
艦名 NAME 艦種記号 建造所 就役日 退役日 除籍日 備考
フォート・ヴィクトリア Fort Victoria A.387 Harland & Wolff, Belfast 1994/6/24 ◎1988/9/15 起工
◎1990/5/4 進水
1990/9/6 命名式から3ヶ月も経たないうちに、ドックに停泊中だったフォート・ヴィクトリアの船内に、IRA暫定派(Provisional Irish Republican Army: IRA)の部隊が2つの爆発物を仕掛けた。IRAからの電話による警告ののち、そのうちの1つが爆発し、機関室内部に甚大な被害をもたらした。船体には穴が開き、浸水が発生した。船は45゚も傾き、沈没の危機に瀕したが、緊急対応チームが数時間にわたって機関室から排水作業を行ったことで、沈没は免れた。ハーランド・アンド・ウルフ社の会長兼CEOであるジョン・パーカー卿 Sir John Parkerは、船を救った技術者たちの勇気を称えた。2つ目の爆発物が不発であったことは、24時間後にIRAからふたたび電話があるまで判明しなかった。2つ目の爆弾を発見し無力化するまでに2週間を要し、このことが作業の遅れをさらに長引かせる結果となった
◎フォート・ヴィクトリアは、バーンズリー都市特別区 Metropolitan Borough of Barnsleyと縁を結んでおり、10年以上にわたって同区との提携関係にある。ペルシャ湾での軍事作戦に参加したのち、2003年には同艦からバーンズリー区へ戦闘旗(バトル・エンサイン battle ensign)が贈呈された。この旗は現在、バーンズリー市庁舎のロビーに展示されている
◎フォート・ヴィクトリアは、人道支援物資から燃料、弾薬に至るまであらゆる物資を補給する能力を備えており、平時・戦時を問わず活用されている。その一例として、レバノンにおける“ハイブラウ作戦 Operation Highbrow”が挙げられる。同作戦において本艦は、イギリス海軍への補給を行うとともに、第814飛行隊 814 squadron所属のマーリンMk. 1ヘリコプター部隊を通じて航空支援を提供するという重要な役割を担った
◎2008年11月から2009年5月にかけて、本艦はマージー川にてCammell Laird Shiprepairers & Shipbuildersによる改修工事を受けた。この際、ソレント海峡からマージー川までは、曳船レッド・ドルフィン Red Dolphinおよびイングリッシュマン Englishmanによって曳航された。2009年11月には運用可能な状態に復帰し、2010年初頭までにはイギリス海軍補助艦隊(RFA)の編成に復帰する予定となっていた。さらに2014年3月から2014年12月にかけても、改修工事が行われた。この改修には、主機関のオーヴァーホールをはじめ、各種機械類・ポンプ・配管の整備、新たな火災検知・消火システムの導入、6基の新型主発電機の設置、居住区の改修、そして兵装やセンサー類の全面的なオーヴァーホールが含まれている。£50,000,000を投じたこの改修により、同艦は少なくとも今後15年間は運用が可能となった
◎2010年9月、フォート・ヴィクトリアは、海賊対策を目的としたNATOの任務“オーシャン・シールド作戦 Operation Ocean Shield”の一環としてインド洋に派遣された。その後、同艦はソマリア沖における対海賊作戦に複数回従事した。2011年6月には、イエメン沖に展開。同国で政治的不安が高まっていたことを受け、英国民の退避を支援するため、80名のイギリス海兵隊員を乗艦させた。ウィリアム・ヘイグ外務大臣 Britain's foreign secretary, William Hagueは英国民に対し、直ちに同国から退避するよう勧告し、英国政府が退避作戦を実施できる可能性は“極めて低い”と述べた
◎2011年10月11日、フォート・ヴィクトリアは米海軍ミサイル・フリゲイト・ド・ワート De Wert(FFG-45)とともに、ソマリアの海賊に乗っ取られたイタリア船籍のMontecristoの解放作戦に関与した。海賊たちは抵抗することなく投降した。フォート・ヴィクトリアは2012年初頭までインド洋西部での展開を継続した。1月12日には、海賊の母船として利用されていた、以前に乗っ取られたタンカーLiquid Velvetをソマリアへ引き返させることで、インド洋上の貨物船に対する海賊の攻撃を阻止した。2012年1月13日には、インド洋西部にて、フォート・ヴィクトリアから展開したイギリス海兵隊が、ソマリア人の海賊13名を拘束した。彼らは、イギリス海軍のヘリコプターから警告射撃を受けたにもかかわらず、停止を拒否していた
◎2012年5月14日、2012年のデプロイメント任務中、米海軍第77海洋打撃ヘリコプター飛行隊(HSM-77)の第5分遣隊は、第151連合任務部隊(Combined Task Force 151: CTF 151)の旗艦を務めていたフォート・ヴィクトリアでの一時的な運用ローテーションを完了した。MH-60Rヘリコプターがイギリス海軍の艦艇から運用されたのは、これが史上初めてのことであった。この2週間の期間中、同分遣隊のヘリコプターは主に、海賊対処のための監視任務に従事した
◎2013年の4ヶ月間にわたるデプロイメント任務において、フォート・ヴィクトリアはウェーヴ・ルーラー Wave Ruler(A.390)と交代し、インド洋およびペルシャ湾で第53任務部隊 Task Force 53とともに活動した。2013年9月には、ソマリア沖の海賊対処にあたる第151連合任務部隊(CTF 151)の旗艦を引き継いだ。また2013年半ばには、クーガー13任務群 COUGAR 13 task groupに加わって航行した
◎2017年7月、フォート・ヴィクトリアは26ヶ月におよぶ長期任務を終えて英国に帰還した。この任務期間の大部分はスエズ以東で費やされ、主に海賊対処活動の支援に充てられた。その中には、2016年4月から3ヶ月間、エーゲ海で実施された“バックテイル作戦 Operation Bucktail”も含まれており、同艦は補助ドック型揚陸艦マウンツ・ベイ Mounts Bay(L.3008)から任務を引き継ぎ、レスボス島周辺における人身売買業者の活動を監視した。帰還後、2017年から2018年にかけて、同艦は大規模な改修を受けた。この改修は、クイーン・エリザベス級空母を支援できるようにすること、および再就役時にタンカーに対する現行の汚染防止船体基準を満たすことを目的としていた。フォート・ヴィクトリアは2018年11月に任務へ復帰した。2020年10月には、9隻で構成される英国空母打撃群に加わり、航空母艦クイーン・エリザベス Queen Elizabeth(R.08)とともに初の演習を行った
2021年5月11日、フォート・ヴィクトリアはポートランド港に停泊中、空母打撃群の2021年展開に向けた準備(弾薬、燃料、そのほかの物資の積み込み)を行っていた際に小規模な火災が発生した。緊急対応部隊が現場に要請されたが、到着前に乗組員が自力で消火に成功した。4名の乗組員が煙を吸い込んだため救急隊の処置を受け、病院に搬送されたが、いずれも重傷ではなかった
◎2022年には、機関のアップグレードおよびそのほかの修理を目的とした改修が行われた。当初、同艦は2022年12月に実戦任務へ復帰したと報じられていた。しかし2023年5月には、依然として重大な問題が残っており改修が必要な状態であること、また2023年を通じて最小限の要員(スケルトン・クルー skeleton crew)のみを配置する見込みであることが報じられた。そののち、同艦は“機械的に健全”な状態であり、緊急時には計画外の空母打撃群のデプロイメントを支援することも可能であると伝えられた。ただし、RFA(英国王立補助艦隊)の人員不足のため、その際には他艦から乗組員を補充する必要があるとのことである。2024年初めの時点で、同艦はCammell Laird shipyardに預けられており、“状態は悪い”と報じられた。同艦は2024年を通じて改修作業が続く見込みであった。2024年後半には、少なくとも1年間、“長期待機状態”(乗組員を配置しない予備役状態)に置かれることになったと報じられた。2026年5月には、同艦が2026年9月から改修を開始し、乗組員を確保できることを前提として、2027年に再就役する予定であると報じられた。同艦は、再就役に向けた改修作業を2026年9月に開始した
◎フォート・ヴィクトリアを、新たな艦級である艦隊補給支援艦(Fleet Solid Support Ship)の初号艦へと置き換える計画が、2028年ごろを目途に想定されていた。2022年7月、艦隊補給支援艦プロジェクト Fleet Solid Support ship projectの責任者を務めるポール・マーシャル少将 Rear Admiral Paul Marshallは、英国下院国防特別委員会に対し、同級の初号艦が2028年に就役する見通しであることを明らかにした。しかしそののち、英国防省は、この新艦級の初号艦が実際に運用を開始するのは2031年になる見込みであると示した。また同省は、これにともない、必要な移行期間中もフォート・ヴィクトリアを引き続き運用する計画であることを明らかにした


Update 26/10/17